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2021年3月

2021年3月21日 (日)

新生ユナイテッドのスタイルが見えた 自陣からの愚直なショートパス

昨日は午前中は仕事。お昼には自宅に戻り,ダゾーンで鹿児島ユナイテッド対ロアッソ熊本の試合を観戦しました。

先週はガイナーレ鳥取に2-0から2-3の大逆転負け。高い位置からプレスをかけてくる鳥取に対してパスコースを封じられ,自陣でのショートパスを繰り返すばかりでまったく攻撃ができなかったことが大逆転の原因なのは明らか。これをどう修正するのか,に注目しました。

ところが,熊本戦も全く同じ。高い位置からプレスをかけてくる熊本に対し,鹿児島は自陣でのショートパスを繰り返します。驚いたのは,ゴールキックはすべてショートパス。しかもパスの相手はほとんどがペナルティエリア内! ここまで徹底するなんて! 熊本は高い位置でボールを奪いに来ます。鹿児島のゴールを狙ってくるのだから,冷や冷や度も半端ないって!

熊本の先制点はPKなのでどうしようもありません。2点目は左サイドのクロスからヘディングシュート。雨の芝でスリップしたためにゴールキーパーの大西は反応できませんでした。これもどうしようもない。

ここまで熊本のシュートが12本。それに対して鹿児島のシュートはたったの2本。これじゃあ連敗だな,と思ったところから鹿児島の反撃が始まりました。

五領が牛ノ浜に,薗田が萱沼に交代したところから鹿児島のボールが熊本のエリアに運ばれるようになります。そして右サイドの衛藤がフォゲッチに,ボランチの中原が野嶽に交代したところから鹿児島が押し続けます。野嶽のポジションは右ウイング。左ウイングに山谷。センターフォワードに萱沼。トップ下に米澤,牛ノ浜といった強力な攻撃的布陣。アンカーの酒本がピッチを縦横に走り回り,30メートル以上のグラウンディングのスルーパスを連発します。

思えば鳥取戦は右サイドでこの攻撃を見せていました。それが熊本戦では中央で何度も出し続けます。鹿児島は同点に追いつきドローでした。おそらくあと5分続いていたら鹿児島は逆転勝ちだったでしょう。

昨シーズンは相手陣のゴールラインまで深入りしてマイナスのボールを上げるスタイルでした。それがここまで変わるなんて驚きです。とにかくクリアであってもロングボールがないというのは相当な勇気,決意が必要です。

今年の鹿児島ユナイテッドの監督はアーサー・パパス。恐るべし! 「J3優勝」なんて無責任な目標だとおもっていましたが,今年は実現する可能性が90%以上でしょう。

春風や闘志いだきて丘に立つ(高浜虚子)