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2020年12月

2020年12月21日 (月)

鹿児島ユナイテッドの今シーズン最終戦が,彼女との最後の日だなんて!

12月20日(日)は,今シーズンJ3の最終節。鹿児島ユナイテッド対秋田ブラウブリッツが白波スタジアムで行われました。

試合前,屋台の前をぶらついていると,若い女性が両腕を大きく横に広げて私を見ています。近づいてみると,3年前,私の部下だった女性でした。

彼女は熱烈なユナイテッドファン。ホームゲームは必ずスタジアムで観戦し,ユナイテッドグッズをそろえ,しかも内部情報にやたら詳しい。先週のガンバ大阪U23の大逆転劇についてメールでやりとりしたときも,藤澤や田中の退団の裏事情まで教えてくれました。

二人して肩を寄せ,先週の試合のことをひとしきりしゃべった後,彼女が今後の身の振り方について話し始めました。

「旦那が愛知県に就職するかもしれないんですよ。少なくとも今の職場は12月いっぱいで退職することになってるし」

「えっ! それじゃあ,うちの会社を辞めて愛知に行くってこと?」

「旦那が鹿児島で就職できないとなるとそうなっちゃいます。今,その会社は経営が苦しいみたいで。最初はこんなはずじゃなかったのに(笑)」

「じゃあ,あなたに会えるのは今日が最後ってこと?」

「白波スタジアムで会うのは最後になるかもですね。旦那が鹿児島に残ってくれるか,瀬戸際なんですよ(笑)」

「げげっ! だからといって,私にはなんともできないけど・・・」

「愛知に行ったら,岐阜とか大阪とかでユナイテッドのアウェイの試合で応援ですね(笑)」

初めて彼女にあったとき,顔がつるんとしていて,ゆで卵の殻をむいたようだなというのが第一印象。本当に美しい顔立ちをしていました。この日は寒かったこともあってモコモコした服を着て,ニット帽をかぶり,マスクをしているので,露出しているのは目元だけ。笑みを絶やさず,いたずらっぽい眼差(まなざ)しと美しい黒い瞳は少しも変わりません。

ときどき沈黙する時間があったけれど,彼女はずっと私の右肩に体を寄せて,話題を見つけては話を続けました。10分を越える立ち話になり,屋台に並ぶ列が私たち2人のところまで伸びてぶつかるぐらいに。それでも場所を変えては思い出したように話を続けました。

彼女がスマホを見て,誰かと待ち合わせているようなことを口にしたので「じゃあ,私もお昼をたべなきゃ」と切り出し,ここでお別れとなりました。でも,心の中では,ずっと彼女とサッカー談義を続けたい気持ちのまま。

久しぶりだな。こんな気持ちになったのは。

してもらうことの嬉しさ君が作る四分半のボイルドエッグ(俵万智)