4月からほとんど空白となっている手帳を見て考えたこと
私の手帳は見開きが1週間。バーチカルタイプです。バーチカルとは,時間軸が垂直。すなわち朝8時から夜10時までが上から下に並んでいるのです。それが月曜日から金曜日まで1時間単位で区切られています。ちなみに土日は午前・午後の欄だけです。
4月始まりの1年。毎年更新していて,もう11冊目になります。10年ぐらい前,日経ウーマンで紹介されていた「キャレルA6バーチカル1」です。
今の私の手帳を開くと,ほとんどの日が空白です。新型コロナウイルスの対応に追われて,記入する暇もないぐらい忙しいというのもありますが,国などの行政の指示などが時々刻々と変化し,さらに社長の思いつきで次々と会議や新たな方針が打ち出され,手帳に予定が書き込む暇(いとま)がないのがその理由です。
空白の手帳は,本来であれば部下の業務の進行管理をすべきなのに,自分自身の業務を優先してきたことの裏返しです。スケジュール管理がまったくできていないなんて上司失格ですね。
それと同時に手帳の空白が私のこころの空白のように思えてきます。忙しい毎日なのに真っ白。むなしさを覚えます。
このゴールデンウィーク中,家の中の掃除をしているときに,A5サイズのシステム手帳を見つけました。黒い革張りが懐かしい。私が加世田で観光の営業をしていたとき。そして,鹿児島市で訴訟関係の業務をしていたとき。さらには種子島で不動産の営業をしていたとき。あわせて10年ぐらいはシステム手帳を使っていました。6穴タイプ,使っている紙もダヴィンチの品質のいい手帳でした。
A5サイズと大きいので,バーチカルには時間単位で営業先の氏名や打ち合わせ先などで埋まり,TODOリストや年間計画,プライベートの目標なども所定の様式にブレイクダウンして書いていました。当時は司法試験合格を目指していましたから,そのための学習計画。家を買うための資金繰り表。子どもの将来(といっても,家族全員の年齢を子どもたちが成人になるまでを年表にしただけですが)。などなど。
あの頃は大変だったけど,手帳と同様,仕事も私生活もとても充実していました。
しかし,営業の仕事を辞めてからはシステム手帳の出番はなくなりました。新たな会社では顧客名簿もなければ計画もない。ただ上司の指示をこなすばかり。バス通勤になり,システム手帳が重く感じるようになりました。そしてA6サイズの小さな手帳をスケジュール管理に,A6サイズのキャンパスノートを備忘録として,2つをバインドすることに切り替えたのです。
あれから10年,こんなに手帳が白いのは初めてのことです。4月から空白の手帳に,まずは普段使うバスの時刻表を貼り付けました。そして予定は書けなくても,その日の夜には1日の出来事を手帳に書こうと心に決めました。指示されたことをやるのではなく,私が本来やるべきことを手帳に書いて実践していこうと決めました。どんなに忙しくても,手帳を見ることで自分を客観的に見る。それが大事なんじゃないかな。
一村に空の広さの立夏かな (村越化石)
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