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2020年3月 1日 (日)

トイレットペーパー騒動にみるSNSの自浄作用 

トイレットペーパー騒ぎについて家の中で話題にしていたところ。高校3年の娘が話しかけてきました。

「お父さん,このデマを流した人って写真家なんだって。今はネットでそこまで特定できるからすごいよね。非難囂々(ごうごう)で炎上しているらしいよ。アカウントはもう削除されたけど,それでも特定してるんだからね」

なるほど。ネットは簡単に発信できる反面,発信者の特定も容易です。おそろしいといえばおそろしいですね。

しかし,デマの発信者をつるし上げたところでこの騒動が収まるかは疑問。そもそもデマとはそれらしき不確かな情報があって,みんながそうかもしれないという不安を抱えたときに発生します。写真家のSNSがきっかけだったとしても,それが大きな流れとして加速していったとき,もはや止めることは容易ではありません。

朝の民放局のニュースをみていると,開店前のスーパーに並んでいるお客さんにインタビューをしていて「トイレットペーパーがもう家にないし,あちこちのスーパーで品切れになっているので開店2時間前ですけど来てみました」 なるほど,家にもうないのなら仕方がありませんよね。この騒動で大変でしょうね。

お昼のニュースをみてると,このインタビューに答えたお客さんは「家には在庫があるんですけど,不安なんで買いに来ました」 おいおい,在庫があるなら買いに来るなよ。

こういう「不要不急」の買い付けに来るお客さんが存在するから,品不足になっているわけです。こういう人もネットで炎上するんだろうな,と思いつつ見ていました。

そんなことを呟(つぶや)いていると,高校生の娘が「だから,本当に必要で買いに来るお客さんが申し訳なくってなんだか後ろめたい気持ちをもっているらしいよ。ネットにでてた」

SNSで始まったこの騒動。SNSでどこまで収束できるのか。もし,SNSでこういう過剰な買い物客を批判して,行動を抑制するようになれば,民主主義の進化形のようにも思えます。

いや,でも,と思います。これは全体主義なのではないかと。いつか見た光景ですね。「ほしがりません,勝つまでは」みたいな。80年前は国の統制と地域コミュティによる監視・束縛。情報化が進んだ現代はネット・SNSによる監視・束縛。わたしは逆に恐怖を感じます。安倍首相を批判する共産党や社民党は,こういう全体主義は批判しないんでしょうか? あっ,これはよけいなことでした。

挑発に乗るなと常にさけぶ声ついに切なしその夜半も過ぐ(近藤芳美)

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