« 「人類の未来」(ノーム・チョムスキーのインタビュー)を読む | メイン | 立春前に春の陽気 沈丁花(じんちょうげ)が開花しました »

2020年2月 1日 (土)

新型コロナウイルスと新型インフルエンザとどっちがこわい?

新型コロナウイルスによる肺炎患者がSARSの患者数を超えたことが,昨夜のニュースの見出しでした。安部ちゃんも中国湖北省の日本入国を拒否すると答弁。なんだか大変なことになってきたような雰囲気です。

似たような騒ぎが10年前にもありました。メキシコが震源地だった「新型インフルエンザ」です。当時は日本の修学旅行生が第1号かということで集中豪雨的な報道がありました。今回のコロナウイルスと同様,彼らの行動・訪問先が逐一報道されました。確か,その学校の校長先生は涙を流して生徒の無事をコメントしていたと思います。このとき,第1号の感染者が在学していた学校には抗議の電話が殺到したそうです。

私にはいつも不思議に思います。このように抗議の電話をする人は何がしたいんでしょうか? 電話したらインフルエンザがなくなるわけはありません。おそらく,日本に新型インフルエンザを持ち込んだ,俺が感染したらどうしてくれるんだという怒りをぶつけたのでしょうが,そうなると日本国内で感染したとされた数百万人にもいちいち抗議の電話をしたんでしょうか? 少なくとも日本に持ち込んだ他の感染者にも抗議の電話をしたんでしょうか? するわけないですよね。第1号のような詳細な行動をマスコミが報じませんから。第2,000,000号ぐらいの感染者になると患者1人につき1分ずつ報じても時間がたりません。私も書いててばかばかしい。

やっていることは同じなのに第1号だけが突出してるって変だとは思いませんか?

結局,マスコミの報道に踊らされた人たちが,こんな馬鹿げた行動をするんでしょう。マスコミに踊らされて生じた怒りを取材対象者にぶつける。わかりやすいですね。そういうのって社会正義ではありません。ただの自己満足です。

ちなみに私も新型インフルエンザにかかりました。でも,死にませんでした。毎年流行するインフルエンザと同じです。発熱して数日は寝たきりでした。でも,健常な体だったので回復しました。

そもそもインフルエンザって毎年「微妙な新型」です。かつてはソ連型とか香港型とかいろんな名称がありましたが,今はNとかHとかに数字がつくパターンですね。どうちがうのか科学的には分類できないでしょうが,少しずつ変化しているはずです。新型肺炎も人に感染するうちに毒性が変化するってマスコミも垂れ流していますがインフルエンザも一緒です。どのような変化を「新型」というのか素人の私にはよくわかりませんが,大騒ぎすることとは思えません。

ところで,毎年,日本では何人が肺炎で亡くなるか知っていますか?

厚生労働省の資料によると,日本で死因の第1位はご存じのとおり「がん」(死者数34万人余り),「肺炎」は第4位です。死者数は11万人余り。ここ最近は毎年同じような傾向です。知ってましたか? 毎年,亡くなった日本人の10人に1人は肺炎が原因です。

新型肺炎が日本国内で流行した場合,この数字がどう変化するでしょうか? 私はほとんど変わらないと思います。

病むものの心の綾をかきくぐりかきくぐり来て口漱(くちすす)ぐかな(岡井隆)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.synapse-blog.jp/t/trackback/716622/34201371

新型コロナウイルスと新型インフルエンザとどっちがこわい?を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿