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2020年1月23日 (木)

締めは漬物 おばちゃんに言わせれば「あなたって通(つう)ね」

久しぶりに,なじみの小料理屋に顔を出してみました。ところが店内はまっくら。玄関は開けっぱなし。「二階の電気は付いているのに変だなあ」と思いつつ,玄関脇のインターホンを押しました。

「こんばんわ」「あっ,ちょっと待っててくださいね。今降りていきますから」 私のことだと気付いた様子でした。ところがなかなか降りてこない。暗闇の店内で5分ほど待ってようやく灯りがつきました。

「今日は家を片付けをしていたのよ。しばらく椅子に座っていたらそのまま寝ちゃってね。いつもは夕方の5時半になれば開店の準備を始めるんだけれど,ついさっきまで寝てたから間に合わなかったのよ」

そういうおばちゃんの横顔をみると,左の頬が赤くなっています。その原因をたずねていいものか思案していると

「先週は階段を降りてから転んじゃってね。両手に荷物をもっていたから,体を支えることができなくて膝を顔を床にぶつけたのよ。あまりにも痛くてその日は倒れたままじっとしていてね。翌日なんとか歩けるようになったから病院に行ってきた」

「そりゃ,大変だったですね。もう年なんだから転ばないように気をつけないと」

「病院に行ったら先生はなんと言ったと思うね。『なんで痛みが一番ひどいときに来なかったのか』だよ。痛みがひどくて動けなかったのにどうやって病院にこれるかっていうの。そう言い返したら看護婦さん達は笑ってたよ。医者はそういう経験がないから平気でそんなことを言うのね」

「この間は認知症の権威だった先生が,自分が認知症になった体験をテレビで話していたけど,『自分が認知症になって,自分の言っていたことが間違いだったとわかった』っていうからね。ほんとそのとおりだと思うよ。・・・」

トークが続くよどこまでも。話がなかなか途切れない。おばちゃんの手は止まったままなので,最初のお通しがでるまで1時間かかりました。私はそれまで焼酎を空飲み。ここの常連客が先週開けた焼酎を,私も飲んでいいよと言付(ことづ)かっているということで,最初はストレートで,次はお湯割りでいただきました。銘柄は「侍士の門(さむらいのもん)」。大久保酒造です。芋くささはないものの,すっきりと飲める,非常に美味しい焼酎でした。お湯割りよりもストレートがお薦めです。

さて,ようやくでてきたお通しは,刺身こんにゃく,鮭の昆布巻き,白豆,手羽元のビリ辛炒めなど。その後は野菜の煮物などが2品。お腹いっぱいになったので料理はそれぐらいにしてお漬物をお願いしたら,生姜の甘酢漬け,高菜漬け,きゅうりのぬか漬けがでました。デザートはキウイフルーツ。どれも少量づつですが,いろんな味が楽しめて満足。特にぬか漬けはいい香りがして久しぶりにおいしい漬物って感じました。

締めて1700円。お勘定までの2時間は,ひたすらおばちゃんトークを聞き続けました。久しぶりのお客さんということで,よっぽど誰かに語りたかったんでしょうね。

うとうとと生死(しょうじ)の外(ほか)や日向(ひなた)ぼこ (村上鬼城)

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