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2019年12月14日 (土)

ブレイディみかこの「商店街衰退の原因は緊縮財政」は本当か?

12月12日に実施されたイギリスの下院総選挙の結果,保守党が大勝しました。保守党のジョンソン首相はEUからの離脱を訴えていたので,イギリスのEU離脱は決定的となりました。

イギリスは国民投票の結果,小差ではありましたがEU離脱を選択。その後も離脱反対派が抵抗し続けていたため,EUから離脱は進まずに膠着状態に陥っていましたが,ようやくこの状況を打破することができたという意味で,その影響は非常に大きいようです。

選挙当日,朝日新聞の朝刊に「欧州季評」のコーナーにブレイディみかこが「暗黒の2010年代の終焉」というタイトルで寄稿していました。

その内容を簡単に紹介すると「2000年代まで地域の商店街にホームレスを見かけることなどなかったのに,2010年に保守党が政権を握るとホームレスが増え,個人商店が潰れ,大手チェーン店も撤退していった。これは保守党の緊縮政治のせいだ」「イギリス政府が財政支出を切りまくり,平均寿命が延びず,子どもの貧困が進み,ホームレスも75%増」「しかし,今回の総選挙では保守党,労働党ともいわゆるばらまき政策を実施することを主張しているので,ようやく財政支出の方針が転換される」 ちなみに「離脱」についてのコメントなく,最後は「ホームレスたちの投票に期待」で締めています。

日本でも,地方にある商店街はほとんどが潰えていきました。私の実家は商店街にある書店ですが,大型店の出店よりも,コンビニの全国展開や消費者の読書離れが打撃となりました。他の商店も消費者離れが最大の原因です。自民党は中小企業の経営者を支持母体としているので,それなりの施策を打ちましたが実を結ぶことはありませんでした。また,日本社会で自殺者が急増し,ホームレスが増えたのはバブル崩壊が原因でした(この後に景気対策として,一気に財政支出が拡大しましたが成果は限定的でした)。

イギリスの商店街がこの10年で衰退し,ホームレスが増えた原因は本当に保守党の緊縮財政にあるんでしょうか? イギリスでは消費者離れやライフスタイルの変化はないのですか? なんだかわからないことだらけです。

ぜんぜん話は違いますが,イギリスの総選挙って木曜日(12月12日)にあるんですね。その日は休日なんですか? 朝日新聞を隅から隅まで読みましたが,そういった記事は見当たりませんでした。こんなことが気になる人っていないんでしょうね。

つねに敗者の立場に立ちし言説をいやしきものとこの頃おもう(小高賢)

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