« 寒い日の飲み物は? 私の好きなお茶とドリンク | メイン | FCLPといえば馬毛島,馬毛島といえば森万由子,そしてなぜか岡留安則 »

2019年12月 1日 (日)

「反日種族主義」を読む

「反日種族主義」(李栄薫:イ・ヨンフン)を読みました。

現在関係が悪化している日韓関係。そんななか,いわゆる「反日」韓国人の様々な主張には根拠はないことや彼らの偽善ぶりを指摘して,韓国でベストセラーとなっている本の翻訳です。

簡単に内容をいくつか紹介すると,独島については日本が自国の領土とした経緯を,従軍慰安婦問題については中世朝鮮史から現代までの歴史的経緯や当時の慰安婦関係者の日記などで丁寧に検証しています。そして徴用工問題についても日韓請求権協定によって解決済であることを,その交渉経緯を丹念に追いながらわかりやすく説明しています。

しかし,反日運動はそれだけではなかったんですね。この本を読んで「『土地調査事業』によって朝鮮の土地の40%が日帝(植民地時代の日本のこと)に収奪された」とか,「朝鮮の米が日帝に収奪された」とか,「日帝は全国の名山にわざと鉄杭を打ち風水侵略をした」とか,どうやったらそういう発想になるのか理解に苦しむような主張もあったことを初めて知りました。もちろん,これらはいずれも事実無根。あまりにも馬鹿馬鹿しいので日本でもほとんど報道されなかったんでしょうね。

徴用工問題判決も騒がれている割には,私はその裁判の内容をほとんど知りませんでした。この本によれば,判決文の「基本的事実関係」にはこう書いてあるそうです(以下は引用ではなく私が編集)。

「原告4人のうち2人は1943年9月から日本製鉄で勤務。同社は月給の大部分を強制貯蓄させ,通帳と印鑑は寄宿舎の舎監に保管させたが,舎監はお金を返さなかった」

そして著者はこう言います「原告は当時は未成年。舎監は朝鮮人で,未成年者の保護者だった可能性が高い。しかも舎監は原告と一緒に帰国している。舎監が賃金を原告に渡さなかったのは,舎監が横領したのか,実家に送金したのかは調べてみないとわからない。しかし,この裁判ではそういう事実確認をしていない」

この本を読んで,韓国人がこんなに騒ぐ理論がようやく分かりました。そもそも「日本憎し」が前提だから,事実確認をおろそかにしている(というか,する気がない)のですね。

この本では慰安婦問題について全体の3分の1を割いています。それを読むと,韓国の慰安婦(売春婦)は可哀想ですね。植民地から解放された後もずっと慰安婦は存在し続けています。朝鮮戦争のときは韓国軍に,米軍駐留時には米軍に慰安婦部隊がいました。

2002年,韓国女性省(こんな機関があるなんて初めて知りました)が刑事政策研究会に依頼した実態調査では,性売買を兼ねている事業所にいる女性の総数は24万人。これは韓国の20~30代の女性の就業人口の8%に相当します。

また,2003年には売春宿で火災が発生して12人の慰安婦が亡くなる事件が発生。彼女たちは売春宿の主人に監禁されていて逃げられなかったのが原因。それだけ劣悪な環境にあります。

韓国の反日活動家達は,日本の戦争時代の慰安婦だけを切り離して犯罪だと糾弾しながら,その前後の慰安婦の存在は黙殺。彼らの偽善ぶりにはもはやあきらめしか感じませんが,現実に性奴隷として苦しんでいる韓国の現役慰安婦は,この騒ぎをどういう思いで見つめ,暮らしているんでしょうね。

眼をとじて耳をふさいで金星がどれだかわかったら舌で指せ(穂村弘)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.synapse-blog.jp/t/trackback/716622/34197048

「反日種族主義」を読むを参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿