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2019年10月13日 (日)

新入女性社員の輝きと,表情が失われていく中年男の顔

私の会社はビルの中にあります。エレベーターが設置されていますが私はほとんど階段を利用しています。階段では他の会社のひととすれ違うことも多く,ほとんど見知らぬ人です。

先週の金曜日,いつものように階段を上っていると若い女性とすれ違いました。すれ違いざまに彼女は私のほうをチラ見。踊り場で「はて誰だったかな」と思いつつ振り返ると,彼女も同じように上を見上げていました。

「私に何か用?」と声をかけると,慌てたように「どこかで会ったことがあったかなって思って」「ああ,そういえばこちらの仕事のことでお世話になったかも」と調子を合わせると,彼女は自己紹介を始めました。話をしながら彼女がまぶしいぐらいに輝いて見えることに気付きました。12月に採用されたと聞いて,なるほど納得しました。

私も新入社員と呼ばれる時期がありました。もう20年以上も昔のことですが。私が外回りの仕事をしていると,たまたまその様子を私の親戚が見ていたそうで「颯爽として,光り輝いていた」と周囲の人に話していたそうです。

当時はお世辞なのかと思っていましたが,そうではないんだなとこの歳になると分かります。新入社員は英語ではフレッシュマン。会社にも新しい風をもたらしてくれます。経験がなくとも夢と希望に満ちた新入社員が入ると,空気が変わります。

階段で出会った女性は背が高く,髪型はショートカットで顔は両側の頬にニキビがいっぱい。真っ赤な顔をしていました。ニキビのせいなのか,恥ずかしがっていたのか。私は「あなたって,はつらつとしているね。光り輝いて見えるよ」と思ったことをそのまま口に出し,オフィスに向かいました。

大宅荘一の名言に「男は40歳にもなったら自分の顔に責任をもたなきゃだめだ。男の顔は履歴書のようなものだ」があります。これは子どもの頃,父から聞いた話でしたが,もともとはリンカーンの言葉だったようです。顔で判断して閣僚の採用を見送ったリンカーン。それを責めた人にリンカーンは「顔が悪すぎる。40歳になったら自分の顔に責任を持て」と切り返したとか。

高校の同窓会に出ると,私が一番若いと言われ,「苦労が足りないからな」と冷やかされます。そうは言われても私は大学生の頃からこの顔です。大学生のときは「年齢不詳」と冷やかされました。一方,私の会社では年をとるにつれて顔から表情が失われていく人が多すぎます。50歳手前の私は「光り輝いて」いなくても,「悪い顔」になっていないことを願います。

少女眠る明日まく花の種子袋(青柳志解樹)

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