« 「天気の子」を天パラで観る 夏休みなのに観客10人子どもゼロ | メイン | 「資格」の魅力 「資格」の拒絶 30年も続ければ差が広がります »

2019年8月 1日 (木)

映画「グローリー」指揮官の射撃練習とユナイテッドのシュート練習

30年ぐらい前の映画に「グローリー」があります。時代はアメリカの南北戦争のころ。北軍の白人指揮官が全員黒人兵士の部隊を鍛え上げて、北軍の勝利のために戦う物語です。

この映画で印象に残るシーンがあります。黒人兵士が射撃の練習をしているとき、ある兵士が抜群の腕前を見せて的を撃ち抜きます。周囲の黒人兵士達もそれをほめたたえてくれ、本人も得意げな顔を見せます。そのときにこの白人指揮官が現れます。

指揮官はもう一度その黒人兵士に射撃練習を命じます。そしてこの兵士が撃とうとするそのすぐそばで指揮官は拳銃を連続でぶっ放します。黒人兵士は驚きと恐怖で筋肉がこわばり、射撃どころではありません。一度も的に当たることはありませんでした。指揮官は「訓練に厳しさが足りない」と黒人の副長を叱責します。

戦場の緊迫した状況において普段どおりの力がだせるかというとそうではありません。だからこそ本番を想定した訓練が必要になってくるんですよね。

同じような話をラグビー選手がしていました。彼はペナルティーキックの練習をするときは、大観衆が見守っているシーンを想像し、そういう緊張感の中でキックをするのだと。そういう練習は一日に10本も蹴れないそうです。体力ではなく精神力がかなり疲弊するとのこと。それとは逆に何も考えずにバカスカ蹴ってもいざ本番となったときには役に立たない。そういう緊張感のない練習は時間の無駄ってことになりかねません。

そしてもう一つ。阪神の剛速球投手だった江夏豊。彼の球種は直球とカーブしかありませんでした。彼がもう一段レベルアップするために練習したのがコントロール。部屋の中でゴミを捨てるときですらゴミ箱に入るようにコントロールに集中したとのこと。当時は王ボール、長島ボールというぐらい巨人びいきの審判がいるなかで、江夏ストライクというほどのコントロールを身につけて対抗したのです。「プロ野球大辞典」(玉木正之)より。

そしてサッカー。神様ジーコは鹿島アントラーズのシュート練習では「ボールをゴールの隅に置け」とアドバイス。なんでもかんでも力一杯足を振り抜くのではなく、キーパーの手の届かないゴールの隅に蹴り込むコントロールこそが大事だということ。「蹴れ」ではなく「置け」という表現がツボをついています。

最後に鹿児島ユナイテッドFC。昨日は徳島に2-5と大敗。大宮の0-6もひどかったけど今回も半端ない負け方でした。結果しか知らないのでプレーの批評はしません。ただ、最近のユナイテッドは守備にばかりに批判がいきますが、私からすればシュートの精度が悪すぎるのが問題です。今シーズンの試合前練習では1~2ヶ月前からはシュート練習をするようになりました。いいことだなと思っていたのですが、最近は「やる気あるの?」って野次をとばしたいぐらい、緊張感がまったく感じられません。普段からあんなシュート練習をしているんでしょうか。何も考えずにバカスカ蹴っても時間を無駄にするばかり。勝利がどんどん遠ざかるだけですよ。

落ち込んでいるひまもなく子を風呂に入れおりどうってことはなかりき(俵万智)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.synapse-blog.jp/t/trackback/716622/34187137

映画「グローリー」指揮官の射撃練習とユナイテッドのシュート練習を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿