カラダにいい!がカラダを壊す そして、薬をやめれば病気は治る
「カラダにいい!がカラダを壊す」(亀田圭一)を読みました。
私の周囲には健康オタクの人たちがたくさんいます。その人たちはそれなりにすごい努力をしているので、それはそれですばらしいとは思います。しかし、どうも私は気乗りがしません。いつも違和感を感じてしまいます。
この本には健康オタクの人が陥りやすい「一点豪華主義」の短所を指摘し、バランスのとれた生活こそが大事であることを強調しています。例えば筋トレ。マシーンをつかった筋トレはその部分の筋肉しか鍛えることができません。ヒトは複数の筋肉を連携して動くわけですから、特定の部位だけ鍛えてもそれはボディビルダーのような見せる筋肉でしかないとのこと。通常の生活やレクレーションとしての運動・スポーツをするのであれば、その目的に応じた筋トレをすれば十分。ジムに通ってバーベルや鉄アレイを持ち上げるようなことは不要であるばかりか害もあるようです。
そして野口体操も取り上げていました。私も整体の野口の著書「風邪の効用」を読んだこともあるので腑に落ちました。人間としての自然快復力を信じ、その力が発揮できるようにカラダを整えることが健康法であるという趣旨です。風邪も悪者扱いせず、風邪をひいたのはカラダにたまった歪(ひず)みを直すためだと理解すれば、対処法もまた変わってきます。
「運動よりも活動」、「ランニングよりもウォーキング」を薦めていましたが、これは私も納得です。ジムには自家用車で通い、会社ではエレベーターを使う健康達人たちの生活ってなにかひっかかります。私は、普段のくらしや通勤では公共交通機関を使うか徒歩です。会社内では階段を利用します。日頃はできるだけカラダを使うようにしています。畑の草刈りも機械は使わずに鎌を使います。別にカラダを鍛えることが目的ではありませんが、過度に便利な暮らしって電気やガソリン無駄遣いと考えちゃうんですよね。
そして同じような考え方の本「薬をやめれば病気は治る」(岡本裕)もあわせて読んでみました。
「長生きしているのは薬をほとんど飲まない人」という著者。薬の副作用の危険性を説き、風邪薬、睡眠薬、胃薬、鎮痛剤、降圧剤などを継続的・日常的に使用する恐ろしさを強調しています。病気が出たときは生活習慣が崩れていることのサインだと意識することが健康長寿の秘訣のようです。規則正しい生活、乳製品や肉を控える、野菜をとる、筋肉と関節を使うなど、健康長寿の共通点を紹介していました。
ただ注意したいのは薬の存在をすべて否定していないこと。特にステロイドは魔法の薬と賞賛していました。必要な薬も存在するんです。なんでも極論に走りがちな健康オタクはここを見落とさないでくださいね。
結局のところ大事なのはバランスのとれた知識、そして自分のカラダの声を自分で素直に感じることではないだろうか、と思いました。
誰が教えているのだろうか右足の一歩の次は左を一歩(俵万智)
コメント