くさいにおいはもとから絶たなきゃダメ 水漏れは水を抜かなきゃダメ!
私が子どもの頃テレビコマーシャルで「くさいにおいはもとから絶たなきゃダメ」というフレーズが印象に残っています。肝心の商品名は忘れてしまいましたが、こういうくだらないことはなぜか今でも覚えています。
そんなCMもあったのに、トイレの匂い対策では芳香剤が人気ですね。この芳香剤には嫌な思い出があります。10年以上前、与論島に出張したとき、宿泊先の個室に入るとトイレの芳香剤が充満していて吐き気をもよおしたことがありました。この旅館の従業員が、寝室の匂いを隠すために、某商品の先端部分を高く引き上げて脱脂綿の面積を最大限空気にさらしていたのです。こうなっては寝室というより完全にトイレになっていました。
今でこそ無臭の消臭剤もありますが、当時はひどかったですね。ほかにも似たようなことがありました。こちらはワインバー。数年前に店のカウンターに掛けたとき、足もとに、やはりトイレの芳香剤をおいているのを目にしました。
店内の悪臭を強い芳香剤の匂いで隠そうとするなんて、お風呂がないフランスの香水文化を真似たんでしょうか。下品もいいところです。やはり飲食店であればトイレを連想させるようなことはせず、匂いのもとを絶つようにするのが本来の姿でしょう。
これでワインの味と香りを楽しめるはずがないだろう。怒りと言うよりがっかりです。もう今ではその店には行く気はありません。
さて、話は全く違いますが、我が家のお風呂にはシャワー付きの蛇口があります。私は髪や体を洗うときにはシャワーをまったく使いませんが、最後にお風呂を洗って水で洗剤を洗い流すときに使います。というか使わざるを得ないのです。
パッキンが緩んでいるのかわかりませんが、栓をひねって水を止めてもシャワーヘッドから水滴がしたたり落ちてきます。小さい音ではあってもポタッ、ポタッ、と夜中寝ているときにかすかに聞こえてくると気になって眠れないことがあります。
やっぱりもとから絶たなきゃダメだと思い、こういうときはシャワーヘッドをホースから外します。すると中にたまっていた水がドボドボと落ちてきます。水を完全に落とした後にシャワーヘッドをホースにつけると、もう大丈夫。水滴は落ちてきません。
こういう場面でシャワーヘッドを外す発想がパッとでてくるというのは、やはり「もとから絶たなきゃダメ」というテレビCMが頭にこびりついているからでしょうね。人の行動には幼少期の体験が大きく影響しているとつくづく思います。
軽々と肩車されはしゃぐ子よそれが男の人の背(せい)だよ (俵万智)
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