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2019年7月21日 (日)

ボール保持率が高いほど試合に負けている ユナイテッドのデータ分析

NHKの特番に「有働由美子とマツコ・デラックスのAIに聞いてみた」というシリーズがあります。40歳の独身者が日本を滅ぼすとかの過激なタイトルで、健康問題や少子化の現実をテーマにいわゆるビッグデータを分析し、思わぬ相関関係を示しています。

最近では「健康」と「読書」の間に強い正の相関関係があることを紹介していました。なぜ? はスタジオの出演者があれこれ思いつきを述べるのですが、マツコデラックスのつっこみがほどよい加減で楽しめます。AIは相関関係を示すだけで因果関係はわからないのです。

昨日は鹿児島ユナイテッドの試合が中止。豪雨で一日家にとじこもっていたので、ユナイテッドの前半戦(J2リーグは22チームあるので21試合)のデータをフットボールラボで調べてみました。

鹿児島ユナイテッドの特徴は、ゴールキーパーアンジュンスがフィールドプレーヤーのようになってボールを回す、自陣からのビルドアップです。そしてショートパスのつなぎとドリブル。こう考えるとボール保持率が高いことが当然予想されます。

21試合のうち、ユナイテッドのボール保持率が60%を越えたのが5試合。55~60%が3試合、50~55%が6試合、40~50%が6試合、40%未満が1試合となります。予想どおり3分の2の試合で50%を越えています。

しかし、意外な事実があります。ユナイテッドが勝利した試合に限ると、50%を越えているのは栃木戦だけ(61.2%)。他の試合はすべて50%未満です。特にJ2リーグ初戦の徳島戦に至っては32.9%しかありません。この試合は4-3の激しい打ち合いで勝利した試合だったにもかかわらずですよ。また、栃木はもともと守備型の布陣をとるためにボール保持率が低いことがチームの特徴であることを考慮すれば栃木戦は例外です。

ボール保持率50%未満のときは5勝1敗1引分。50%以上のときは1勝12敗1引分という明白な相関関係が示されます。

もちろん、相関関係は因果関係ではありませんのでボール保持率を下げると勝つというわけではありません。例えば点差が2点以上開いて相手チームが優位であれば、ディフェンスラインを下げて守りに徹するため、負け試合では結果的にユナイテッドのボール保持率が上がることがあります。しかし、2点以上差がついて負けた試合は4試合しかありませんし、そういう展開は試合の後半のみにあり得ることを考えるとさほど考えなくてもいいでしょう。

つまり、データを見る限り、鹿児島ユナイテッドの勝利のカギは「相手にボールを保持させることにある」と言っても過言ではないのです。

では、ビルドアップのスタイルを、ロングボールをどんどん蹴り込み、ボールを相手チームに保持させて反撃するスタイルに転換するのか? でも、それじゃあユナイテッドじゃないよなあ。やっぱりボールをつないでつないで、相手ディフェンスをきりきりまいにしてゴールを決める。そうこなくっちゃね。

ところで「AIに聞いてみた」のAIは、この番組のディレクターの名前にちなんで「ヒロシ」といいます。残念なことにこのディレクターは先日、不祥事で逮捕されたことが新聞記事にでていました。番組が打ち切りにならないか心配です。

その後の運命はいかに 結ばれて「凶」の文字(もんじ)をさらすおみくじ(俵万智)

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