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2019年7月23日 (火)

対抗措置の応酬が続く日本と韓国 日本の最善策はしっぺ返し戦略

日本政府の輸出規制によって韓国の半導体メーターに(ひいては韓国経済に)大打撃を与えるようですね。連日のようにニュースで報じられています。韓国はWTOに提訴するとか。終わりがまだまだ見えません。

もともと文政権ができてから日韓関係は悪化の一途をたどっています。日本と韓国が合意した、従軍慰安婦への支援を行う基金制度も韓国が一方的に解散。徴用工の問題では韓国の最高裁判所が日本の企業に賠償を命じる判決がでたのに、かつて日本から賠償金を受け取ってこの問題を完全に解決したと約束した韓国政府はだんまりを決め込んでいます。そして半導体関係の輸出規制にかかる日韓両政府の事務方協議では、両者がプレスリリースの内容をすりあわせしたにもかかわらず、合意していないこと(というかそもそも発言していないこと)を韓国側が一方的に発表。ひどい話ですね。

韓国は日本との二国間の約束をことごとく反故(ほご)にしています。慰安婦への支援基金、植民地支配に関する日韓賠償金支払い(日本と韓国・北朝鮮の間には戦争した事実はありません。韓国は日本に対して独立戦争をしたこともなく、ユーゴスラビアのチトーや中国共産党の毛沢東のゲリラ戦もしていません。歴史を知らない方は確認ください)、そして輸出規制問題にかかる事務方協議。

韓国は「過去に日本はひどいことをしたから(約束・条約を守る必要はない)」と一方的に主張しますが、これでは日本は何を約束しても無駄になるということです。違いますか?

「囚人のジレンマ」という有名なパラドックスがあります。犯罪者が仲間と逮捕された。取り調べで刑事が犯罪者に次の提案をした。「お前が黙秘して、仲間が自白したら罪はおめえが一人で負うことになる。懲役10年だ。そして仲間は釈放される」「逆にお前が自白して仲間が黙秘したら、お前は釈放、仲間は懲役10年だ」「どちらも自白したら罪も半分になってそれぞれ懲役5年」「そしてどちらも黙っていたら懲役1年がせいぜいだ」

一番有利な選択は両者とも黙っていること。しかし、仲間の動向がわからない以上、最悪の事態を避けるもっとも確実な方法は自白することです。結果として、もっとも罪が軽い選択はないことになります。この囚人のジレンマを解こうとする努力はすべて時間の無駄と思われてきました。ところが、この「囚人のジレンマ」を解決する方法を、政治学者のロバート・アクセルロッドが1980年に発見しました。いわゆる「しっぺ返し戦略」です。

「しっぺ返し戦略」とは、「1 最初は協力する。 2 それ以降は、相手が前の回にとった行動を選択する」というシンプルな戦略です。これはシンプルなだけに強力です。これに勝る方法は発見されていません。

日本政府もこの「しっぺ返し戦略」を選択するときです。今の日本は、韓国政府がとっている行動(裏切り、約束の反故)を選択すべきです。これ以外のもっともらしい言説(国際社会への信頼など)に惑わされてはいけません。裏切り続ける相手を信頼し続けるのは最悪の戦略です。相手がどうであれ日本は道徳的に正しい行動をせよと論じることは戦略でもなんでもありません。日本が約束を守るのは、韓国がこれらの非礼をわびて日本の損害を回復してからにしましょうよ。そうしないと永久にこの状態が続きますよ。

野にかえり野に爬虫類をやしなうはついに復讐にそなえんがため(前川佐美雄)

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