HLA適合血小板の協力依頼で考える「池江璃花子」効果のすさまじさ
5月の連休明けに日本赤十字から電話がありました。ぜひ成分献血をお願いしたいとのこと。しかし私は4月に400ccの献血をしたばかり。最低2ヶ月は間隔を開けないといけないはずでは、と問いかけると「それは承知している。2ヶ月経過した6月15日に成分献血をお願いしたい」とのこと。そこまでいうならと私も了承しました。
そういう訳で今日の午前中に「かもいけクロス」に行きました。
採血前に、なぜ私に成分献血を依頼したのかを担当の看護士に訊(き)いてみると、「HLAが陽性だから」とのこと。「???」なので再度丁寧に教えてもらいました。
簡単にいうとHLAとは白血球の種類(型)のこと。血小板の輸血を繰り返し受けると効果がなくなってくるようで、そういうときは白血球の型が一致する人の血小板を輸血しなければならないそうです。今回は、九州ブロックの登録者のデータを検索し、たまたま一致している私に白羽の矢が立ったということでした。患者さんも県外(九州内ですが)の人のようでした。
自宅に戻ってからネットで検索してみると血液型とは単純ではないことがわかりました。通常、血液型といえばA,B、AB,O型の4つとRHプラスとマイナス。しかしこれは赤血球の型に限ったことでした。白血球にも同様に型があります。その数ざっと数万種類。兄弟ですら一致するのは25%の確率。これが他人だと一致するのは数百人から数万人に1人の割合だとか。
看護士が私にいいました。「陽性と言っても問題があるとかではないんです。骨髄バンクと一緒で一致する方が珍しいんです。私も登録しているんですが一度も声がかかったことがないんで、あれっ、オレって登録したかな、って思うぐらいです」
そういえば水泳の池江璃花子選手が白血病のため、治療に専念するとの衝撃的な発表をしたのは今年の2月のことでした。自宅に戻ってから統計を見ると、骨髄バンクの登録者数は毎月3000人から4000人で推移していたのがこの2月はなんと11000人(!)と通常の3倍に急増していました。池江選手のカミングアウトが多くの人の関心を集め、動かしたことは間違いないようです。
その後、3月は7000人、4月は5000人、5月は4000人と徐々に減ってきています。余計なことですが「人の噂も75日」ということわざも本当だなということがよくわかります。そして池江選手を助けようと登録した人がおよそ1万人もいたことが推定されます。すごいファンの数ですね。
私はブームや流行を追うことは大がつくほど嫌いですが、献血と募金は自分の判断でぼちぼち続けています。献血は社会人になってからは年に5~6回。募金も年に1000円程度でしょうか。本当に微々たるものです。今日採血した血小板がどこの誰かに渡るのかは知りません。相手が池江選手かどうかも気になりません。ただ私(の血)を必要とするその人の生きる手助けができて本当によかったです。それだけでも私が今生きている価値があります。
人のよろこびわがよろこびとするこころ郁子(むべ)の花咲く頃に戻り来(く)(道浦母都子)
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