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2019年5月14日 (火)

老子とリバタニアリズム デジャブをみたのか 根源は同じなのか

NHKの「100分で名著」老子・孫子を読みました。

この「100分で名著」は毎回テーマとなった古典をコンパクトに、わかりやすく解説してくれる非常にいいシリーズです。これまでも君主論や論語、夜と霧などを読んできました。これらの本は従来の解説だけではなく、新たな発見があり、知的興奮をもって読んできました。

私は学生時代に論語を買って空いた時間に手に取ってきました。しかし、同様に買った老子は非常に難解。「無為自然」や「上善は水のごとし」など人口に膾炙された金言は知っていますが、論語ほど読もうという気になりませんでした。

しかし、老子がいうところの水の性質、常に汚いところ、人が忌み嫌うところに身を置くという考えは、私の行動する上での規範(基準)となってきました。行動やものの考え方には大きな影響を与えたと言っていいでしょう。しかし、老子が社会に与えた影響となるとよくわからない。有名なのは老子の影響を受けたトルストイ、そしてその影響を受けたガンジーの非暴力主義。というところでしょうか。

話は違いますが、従来の政治思想は保守とリベラル、資本主義と共産主義という二大対立ばかり。日本はこれ以外の対立軸が見当たりません。

しかし、世界的にはリベラルの考えが世界中に浸透しています。そして橘玲の書籍を読むと世界的には3つの流れがあるようです。まず自由に価値を置くことは当然として、それに平等の視点を追加しているのが、いわゆるリベラル(日本共産党みないな考え)。共同体としての視点を追加しているのが共同体主義(自民党かな?)。そして自由がとにかく最高なんだという価値観が自由至上主義。いわゆるリバタリアニズムです(日本には政党は存在しません。アメリカのティーパーティーか?)。

なぜリバタリアニズムは日本に存在しないのか。簡単にいうと、この考えは、税金を払わない、自分のことはじぶんでやるという、一種の無政府主義に近い。これではお上意識の強い日本では、政党活動は難しいのでしょう。早い話が、真面目にこの活動すれば、国を捨て、隠遁生活を送ることになります。年金を当てにしたり、補助金を当てにしたりする輩が増えている日本では思いもつかない発想でしょう。

老子の思想は小国寡民、争わない、そんな考えですから、リバタニアリズムと非常に近い。不思議ですよね。最新の政治思想と中国古代の社会思想におなじ傾向が見られるというのは。

道は常に無為にして しかも為さざるなし(老子)

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