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2019年5月19日 (日)

朝日新聞の批判の作法 憎き百田尚樹をやっつけるの巻

5月18日(土)の朝日新聞に、「幻冬舎社長、異例のツイート」という特集記事が掲載されていました。そのポイントを簡単に紹介すると

○ 幻冬舎の新刊の出版が取りやめになった経緯を、幻冬舎社長がツイートに投稿した。

○ そのツイートで、この作者の作品の発行部数と実売部数を明かした。

○ 実売部数は内密データ。ツイートはこの業界の慣例を破っている。

○ このことについて、ある大手出版社のベテラン編集員、ある編集者、高橋源一郎、井上荒野、永江朗、植村八潮が幻冬舎社長を批判している。

そして、そもそも問題の発端は、新刊の作者が百田尚樹の「日本国紀」を批判したことが幻冬舎の編集者とトラブルになっていたことだといいます。

さらに朝日新聞は「日本国紀」を巡る問題について、「『ネット上』には『史実の誤りがある』、『他の出版物やウィキペディアの記述と似通った文章があるが出典元の明記がない』という批判がある。批判を受けた一部については、同書の増刷時に告知なく修正されている」との解説記事まで掲載しています。

わたしがこの記事を変だなと思うのは以下の点です。

1 新刊の作家が「日本国紀」をどのように批判しているのかわからない。(『ネット上』の批判と同様の批判であるかのように錯覚しそうです)

2 実売部数の公表が慣例破りという意味がわからない。慣例ってそんなに大事なの?

3 出版取りやめになった作者には理解者がたくさんいる(ように見せかけている?)のに、なぜ幻冬舎以外の出版社から新刊を出さないのか?

偏見あふれる私は次のように勘ぐっています。

朝日新聞は、「1」は、百田尚樹への批判者は他にもいる。だから問題の作家にも非はないと言いたい。「2」は、実売部数を公表するのが一般的になると、朝日新聞も発行部数より実売部数が随分少ないことがばれてしまう。それは困るので「慣例」を絶対視している。「3」は、儲けの出ない本を出版したくない出版社はたくさん存在しているけど「それを言っちゃあ、おしまい」なので、出版社の人間ではなく、建前を述べる識者のコメントだけ掲載している。

「日本国紀」で百田尚樹は、朝日新聞の記事・態度をさんざんこき下ろしています。だったら、その記述に対して反論するのが新聞社の対応ですよね? でも、それができない。だって百田の主張が正しいから。そこで第三者(匿名の「ある編集者は」、「ネット上では」)の見解を引っ張ってきては、別の箇所の揚げ足取りで百田攻撃の雰囲気醸成を図る(あるいは溜飲を下げる)。うーん、すばらしい高等戦術ですね。きっと子ども達にも新聞教育として効果があることでしょう。

結論を言わばあまりに簡明にて長き経緯の甲斐なきごとし(蒔田さくら子)

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