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2019年5月

2019年5月27日 (月)

「わら一本の革命」を改めて読み返してみて畑の異常に気づきました

「わら一本の革命」(福岡正信)を久しぶりに読み返してみました。

この本はもう3~4年前に買った本です。自然農法を提唱した福岡正信は昭和50年頃にはこの分野で有名だったようです。当時のことがこの本には紹介されています。

彼の農業を簡単に言えば米麦の二毛作を直まきで連続して栽培するというもの。不耕起、無農薬、無肥料、無除草というやり方。農作業の手間をつぎつぎとそぎ落として最も単純な農法に至ったわけです。

私が今市民農園でやっているのは、この米麦連続不耕起直播。米籾を播いて2週間経過しても発芽しないので、あらためてこの本を読み返したいと思ったのです。

福岡の畑には無数の昆虫が棲みつきます。特に蜘蛛が驚くほどの密度でいることを紹介しています。私の畑にも蜘蛛はいるのですが、このレベルにはほど遠い。

そして、福岡の畑と私の畑の最大の違い。それはミミズです。私の畑にはミミズがいません。土を掘り起こしても、湿った隙間のない土です。ちょうど羊羹(ようかん)のようにずっしり詰まっています。一方福岡は再三、畑の改良について述べています。彼の畑の地中にはスポンジケーキのように隙間があります。水と空気が土地の中にいい感じで混ざっている。それがミミズがいることと大きく関係していると思います。

それにしても考えてみると変ですよね。畑にミミズがいないなんて。一時期私の畑の近くにモグラ塚ができていましたが、最近はぱったり見なくなりました。エサとなるミミズがいないので引き返したのかもしれません。

周囲の耕作者のみなさんはミミズのいない畑をみて違和感を持たないのでしょうか? 私からすればおそろしく不自然な環境です。ここの市民農園ができてどれぐらい利用されているのか知りませんが、こんな土をつくりだした人たちはどういう農作業をしてきたのでしょう?

私の自宅の庭にはミミズがいます。最初の数年はまったく見なかったのに播いた堆肥のなかに紛れていいたかもしれませんが、今では土地を掘ると普通に見つけるようになりました。私の畑も根気強く自然に近づけていくしかありません。

待つことの始まり示す色をして今日も直立不動のポスト(俵万智)