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2019年4月20日 (土)

「働き方 2.0 vs 4.0 」に断言されてしまった残業削減取組の失敗

4月から健康管理の部署に配属されました。ここでの私への至上命題が残業時間の縮減。昨年国会で議論された働き方改革。安部ちゃん肝いりの政策により残業時間の上限が設定されました。そしてこの4月から当社でも一月の残業時間に上限が設定され、それを越える残業は特定の理由がある場合に限定されました。

まず上司から指示があったのが「残業の意思表示(退社時間を机の上に表示する)」。でもこれでは現実問題として残業が減るか不透明。そこで私が考えているのが「上限時間の8割を越えたときには本人に注意する」、「隠れ残業がないように指導監督を徹底する」、「上限時間に達した社員には残業させない(余地がある他の社員が業務を代替する)」というもの。

もちろん、当社はただでさえ業務量が多く日常的に残業しているので、このアイデアではまじめな部下からは「ではできなかった仕事はどうなるのか」という反発や「こんな指示はやってられない」として私の指示を無視する(不服従)社員がでてきそう。

こんなとき、「働き方 2.0 vs 4.0 」(橘玲)を読みました。

この本では、日本的終身雇用会社が現代社会において機能不全に陥っていると看破(かんぱ)し、「あらゆる仕事で高い専門性が要求されるようになるなかで、「ゼネラリスト」としての経験しかないサラリーマンが、必要な知識やスキルを獲得できないまま年功序列で役職を与えられています」とその時代遅れぶりを批判しています。

さらに電通の新入社員が自殺した事例をひいて次のように断言しています。

「新入社員が混乱する現場と稚拙なマネジメントの犠牲になったことは明らか。本社を夜10時に一斉消灯するなど深夜残業を抑制する措置をとったが、これではなんの解決にもなりません。(中略) 年功序列・終身雇用の日本企業では、プロジェクトの責任者を外部から招聘したりできないため、『不適材不適所』で混乱する現場を長時間労働のマンパワーでなんとか切り抜けようとし、パワハラとセクハラが蔓延することになります」

この本を読んで、経営環境に対応できるスペシャリストがいない当社において、残業削減は不可能に思えてきました。なにしろ技術進歩についていけない(知らない)素人ばかりの会社ですから。

でも私は諦める訳にはいきません。残業削減は形だけでは必ず失敗するでしょう。とすれば、見かけの数字ではなく、勤務時間の過ごし方にこそ創意工夫の余地があると考えています。ではどうすればいいのか? 知恵を出し合ってみます。

この職にたけて帰る日いつならん夕べさびしく汗の冷えつる(松倉米吉)

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