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2019年2月 3日 (日)

焼酎の神様とは? 紅麹焼酎はミルク味?

土曜日には鹿児島大学で開催された第2回焼酎セミナーに参加しました。テーマは「焼酎神社」(講師:鮫島吉廣)と「紅麹と焼酎製造」(講師:吉崎由美子)です。焼酎神社なんて聞いたことないけどなあ、と思ったのが今回の参加のきっかけ。

結論から言うと焼酎神社とは南さつま市加世田にある竹屋(たかや)神社のこと。この神社に祀られている神様は、火照命(ホデリノミコト:海幸彦、ニニギノミコトの長男)、火須勢理命(ホスセリノミコト:ニニギノミコトの次男)、火遠理命(ホオリノミコト:山幸彦、ニニギノミコトの三男)、豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト、山幸彦の妻)の4人です。

鮫島教授の解釈はこうです。3兄弟の母親の木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)は酒解神(サケトケノカミ)である大山祇神の娘。3兄弟は炎に包まれた産屋で生まれた。これは何を意味するか。焼酎はフランシスコ・ザビエルがいた時代には存在していたことが確認されている。当時の焼酎は米焼酎。酒を発酵させたままであれば清酒になるが、気温が高い鹿児島では酸っぱい味になって失敗してしまう。そこで火を使って蒸留させて酒(焼酎)を作り出した。3兄弟は酒の神様の孫にあたるから、それが火に包まれて生まれたことは蒸留酒と解釈できる。さらに豊玉姫は海の神様である綿津見(ワタツミ)神の娘。すなわち海外からやってきた。海外から蒸留技術、サツマイモ、黒麹が伝わったことを考慮すると、この4人がそろっている竹屋神社こそ焼酎神社と呼ぶにふさわしい。

なるほどねえ、神話とは歴史的事実のメタファーです。こういう解釈も興味深い。もちろん実際は違うでしょうが、焼酎がいつの時代から存在していたのかはわからない以上、歴史的なロマンを感じさせます。

もう一つの紅麹の話は科学的な試験・データ、化合物のカタカナや英語が頻出するので、それらに詳しくない私はみなさんにうまく説明できません。ただ言えるのは紅麹でできた焼酎は香りがミルキー、オイリー、チーズ臭とか。とある焼酎会社に頼んでできた焼酎「10」(テン)もやはりミルキーだとか。この焼酎は鹿児島大学でしか販売していないそうです。720mlで3千円程度。紅麹焼酎は商品化されていない今、話のネタに飲んでみたいですね。

ところでこの焼酎セミナー。参加者のほとんどは焼酎マイスター。質問がバンバン飛んでいて熱心に議論。資格のない私は小さくなってやりとりを聞いていました。今日の昼前、家族と一緒にテレビを見ているときにニュースでセミナーの様子が放送され、そんな私がばっちり出てました。飲んべえがここまでやるかと思われたかも。ああ恥ずかしい。

芋の香をは今しばらくはとどめおき喉をぐらりと揺らせる「魔王」(俵万智)

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