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2019年2月 9日 (土)

批判キャンペーンの結果、恵方巻の廃棄は減ったんでしょうか?

私は学生時代、京都に住んでいました。当時は家庭教師のアルバイトをしていて、そのアルバイト先ではいつも晩ごはんを用意してくれる、一人暮らしにはありがたい家庭でした。ある年の2月3日の夜、いつものように晩ごはんが提供されるとなんと一本丸まるの巻き寿司。「京都では節分には恵方巻といってかぶりついて食べるんですよ」とこの風習を教わりました。

今や京都(関西)以外にもこの恵方巻が広まりました。広めたのはコンビニチェーンですね。需要喚起のために一地方の風習を全国に広めたのでしょう。近年ではハロウィン、昔だとバレンタインデーのような商売主導のイベント(記念日)戦略ですね。もちろん、鹿児島に住んでいる私にはそんな習慣は関係ありませんので恵方巻は買わず、昔同様、殻付きの落花生を一袋買いました。

ところで今年の1月頃から「恵方巻が大量に廃棄されている、無駄なことはやめよう」というニュースが何度も報道されていました。NHKや民放各社がこぞって特集を組んでいたので奇異に感じました。たしかに食品廃棄は大きな問題ですが、なぜ今、恵方巻だけがターゲットにされるのか疑問です。

こういう魔女狩りは今に始まった話ではありません。たとえば「こんにゃくゼリー」。のどに詰まらせて窒息死する事故が多発して、製造元を非難する大キャンペーンが展開されました。しかし、考えてみると、のどに詰まらせて窒息死する食品は「餅」が多い。手元に統計的なデータはありませんが、私が子供の頃、お正月のニュースの定番は「餅を食べて窒息死」でした。しかし、餅の製造元を非難するキャンペーンを私は知りません。なぜ餅は良くてこんにゃくゼリーはダメなんですか? (そういえば餅の窒息死は最近報道しなくなりました。これも疑問です)

今回の恵方巻大量廃棄も、キャンペーンを展開することで消費者の購買意欲をなくすことをマスコミが意図しているとしか思えません。マスコミは「恵方巻を取り上げることで食品廃棄の問題喚起をしたい」と正論まがいのことで釈明するでしょうけどね。

一地方の風習を商売目的のイベントにするのも嫌ですが、正論ぶって食料の無駄遣いという観点で批判するのも与(くみ)したくありません。日頃の行い(消費活動)を省(かえり)みてはどうでしょうか?

ところで冒頭の家庭教師先の恵方巻。どうやら水加減を間違えてご飯を炊いたようでとても食えたもんじゃない。「まずい」と正直にいうと「残しといてください。犬にでも食わせときます」。30年前はそれで良かったんですよね。

節分や海の町には海の鬼 (矢島渚男)

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