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2018年12月26日 (水)

逆襲される文明を読む

「逆襲される文明」(塩野七生)を読みました。文藝春秋に連載の彼女のコラムをまとめたものです。イタリア在住なので話題はイタリア政界やイスラム難民問題がほとんど。特に難民問題は最近日本のマスコミは報道しませんが大変な状態にあることがよく理解できました。

アフリカを出港したら難民たちはすぐにスマホや携帯を利用してSOS。ヨーロッパの船が「人道援助」の名の下に彼らを救助しイタリアに上陸させる。その数毎日1千人以上。しかもイタリア以外のヨーロッパ諸国は難民の受入に難色を示しているので結果的にイタリアに長期間逗留。ただでさえ失業率が10%を越えているイタリアに,難民という不労働者がますます増えているわけで,その異様さにおそろしさを感じます。

日本がイタリアのような状況になったとき,国民を扇動して難民を強制送還させよとマスコミは主張するんでしょうか。それとも人権を錦の御旗にしている朝日新聞などは,日本政府は破産してでも彼らを保護すべきだと主張するのでしょうか。とても興味があります。

いずれにせよ招かざる客が大量にやってくるとなれば、良識?のある日本人は皆困惑するでしょう。なにしろ南青山のごく一部の住民は児童相談所ですら近所にできるのを猛烈に反対するわけですから。児童相談所に限らず、幼稚園・保育園ですら迷惑施設だとして建設に反対し、自分たちの生活環境さえ守られればいいと考える人がいるみたいです(私はこれらの施設の何が怖いのか理解できません)。そんな人たちは、その園児の親世代が自分たちの年金を支えてくれているという現実から逃避しています。エゴ丸出しで社会の仕組みを知らない振りをする。嫌な人たちですね。

ローマ帝国は蛮族の侵入により滅亡しましたが,それは一般に言われているようなローマ人の怠惰や油断によるものではなく,粗末な身なりで何人死のうとも国境に押し寄せる蛮族の群れ群れに絶望したからと塩野七生は書いていました。

日本中のホームレスが南青山で路上生活をしたらどうでしょう。粗末な身なりで匂いをぷんぷんさせたホームレスが、周囲の住民からの投石や嫌がらせで何人も死者がでても居座り続ける。彼らは絵空事だと一笑するでしょうが、実はそういう世界はすぐ間近まで来ているかもしれませんよ。

スーパーに特売の水並びおり子は買うものとして水をみる(俵万智)

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