無愛想同士
仕事の帰り、いつものバーに寄りました。
仕事や友達つきあいなどで飲むときは、ビールや焼酎をガンガン飲んでもほとんど酔わない(だから飲み過ぎて翌日ノックアウト状態)のに、一人カウンターで飲むとすぐに酔いがまわります。これが心地よくてちょい飲みが癖になりました。ここもそんなバーの一つです。
カウンターにはいつもの女性アルバイトが一人。
このアルバイトとはもう1年以上前から知っているのですが、未だにどんな話をしようかと考えてしまうことがあります。
普段の私は無口で、一人で本を読みながら静かに飲むタイプ。彼女も対面の客と会話がなくても気にせず佇(たたず)むことができる寡黙な性格、こうなるとにらめっこに近い状態になり、ふと気になって目を合わせると、お互いにつくり笑いをしてしまいます。
彼女の趣味である映画の話が盛り上がるのはわかってはいるのですが、この日は思いつかず、最近のできごとをぽつり、ぽつり。そうしているうちに酔いがまわったようです。
私がバーや居酒屋に一人で飲むようになったのは7年ほど前のこと。当時は積極的にアルバイトの女の子と話をするようしていました。ちょうど私に部下ができたときです。コミュニケーションが苦手な私にはノウハウの実践の場でした。でも、さはさりながら、若い人たちの話を聞くことは刺激的で楽しかったなあ。
それが今や私の娘より年下のアルバイトばかり。ある日、自分の娘を諭すような話が増えたことに気づき、それからは静かに飲むことが増えました。今の方が自然体になのかも。
ところで私とその彼女。お互い無愛想ですが、私は彼女のことを気に入っています。そのことをどう表現すればいいのかわからないけれど(「気持ち悪~い」の声が聞こえてきそう)。
街頭のパントマイムに足を止め 目と目が合ったようなしばらく (俵万智)
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