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2018年10月 8日 (月)

拡張現実の世界ってもうすぐ来るの?

「まずはセンサーの取得値をコヒーレンスとして捉え、S・Wフロイドの循環群に展開するんですよ」(???)

「『巡回セールスマン問題』と『ナップザック問題』を<クウェーヴ>(注:会社名)でBQP(注:誤り可能性有限量子多項式時間)に乗せるんだ。80万ノードの経路を展開するのに量子メモリーがそれぐらいは必要になる」(?????)

 (注はブロガーが挿入)

SFの世界は独特の世界観や用語にあふれているので馴染むのに時間がかかります。それでもこの小説の著者が私の同級生ということで最後まで読み通しました。

「公正的戦闘規範」(藤井太洋)というSF短編集です。結末がいまいち理解できないのもありましたが、現実延長の近未来SFとして迫力ありあり。

でも、最後に解説を読んで驚きました。「IT用語が飛び交い、プログラムのテキストも挿入されていて、詳しくない人には何のことかわからないだろうが、現場にいる人にはあまりにも身近な世界が描かれている。この作品を身近とみるかどうかで、すでに読者も分断されている。それもこの作品の裏テーマとしてあるかもしれない」

そうか、私はすでに分断され、遠い世界にいる人間なんだ。うすうすは感じていたけど、ここまできっぱり言われると納得しちゃいそう。でも待てよ、逆に私の世界観を理解する人は極めて少数。だからといって、私の話を理解できる人とできない人に分断されているなんて発想になるか?

確かに先端技術の開発は少数の研究者、専門家から構成される閉じられた世界。ただそれだけのこと。それぞれ好きなことをするグループがゆるやかに連携しているのがこの世の中なんじゃないかな。たとえあるグループの技術が現実世界の重要なインフラになろうとも。

「分断が当然」といわんばかりの専門臭さが鼻につくと、FSA(アメリカ自由領邦:上記に収録の短編「第二内線」に登場する保守的アメリカ人の独立国)に肩入れしてしまいます。いくら技術が進歩しようと人間の本質は変わらないんじゃない?

小便も玉となりけり芋畑(小林一茶)

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