勝間和代の極端な生活 これについていける人がいるのだろうか?
「自由もお金も手に入る!勝間式超スローライフ」を読みました。
この本の内容を一文に要約すると,「ITを駆使した引きこもり生活」です。
仕事は家で行う。効率化を図るために音声入力。そのためのIT機器を買いそろえてオフィス環境を整えます。食事は調理器「ヘルシオ」でできるグリル料理とチキンサラダがほとんど。主食は全粒粉のパンだけ。運動はトランポリンとVR(ヴァーチャルリアリティ)。外出は理髪等の最小限で,買い物もネット通販。自然を感じたいときも外出せずにVRで経験(?)。娯楽は配信される音楽を聞くことととネットマージャン。
勝間が引きこもり生活を推奨する理由はこうです。まず通勤の時間と不快がなくなる(これは納得)。仕事がはかどる(自制心の強い人,働くことが好きな人はそうでしょう)。時間の制約がなくなる(確かにそうですね)。
でも,自宅での作業だけで収入があるなんて一部の人だけではないでしょうか。勝間のように文章で稼げる人はそれでもいいでしょうけど,ほとんどの労働者は対人作業や製造作業がほとんど。書類作成や調査分析という,いわゆる頭脳労働に従事する人なんて全体の1割もいないでしょう。
そして許せないのが食事。勝間はサラダとグリルだけだから,料理にかける時間は野菜を切るだけでOKとか,パンは空いた時間につくればいいとか言いますが,それに満足できる人がどれだけいるでしょうか。ごはんや煮物を食べたい私はぜったいに嫌です。
そして不可解なのがVR。これでリフレッシュできますか? 勝間はVRで行ったことのない世界遺産や大自然を満喫できると力説しますが,私は疑問です。
おそらく勝間は東京ディズニーランドを楽しめるタイプの人間なのでしょう。私は楽しめません。なぜならニセモノだから。ディズニーランドのアトラクションは迫力はあるかも知れませんが作られた迫力であり,スリルです。この先がどうなるのか分からない,そういう不可知な部分がない,安全なスリルです。私には理解しがたいことです。
仕事の効率化,環境の快適さについての勝間の話はなるほどと思いますが,料理方法やリフレッシュについては疑問をもったまま本を読み終えました。
ところで,かつて「カツマー」と呼ばれた勝間和代の賛同者・実践者がいましたが,今でも健在なのでしょうか? どういうわけか私の周りでは聞いたことがありません。このブログを読んで「私は実践しているわ。勝間は私の教祖なの。あなたも入信すべきだわ」と反論したい方は,ぜひメッセージをください。
ああいった神経質な鳴り方はやれやれ恋人からの電話だ(荻原裕幸)
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