アミュ地下フードコートの奇妙な人々 ラグビーを語る高校生たち
仕事帰り。いつものようにアミュ地下のフードコートに立ち寄り,缶ビールを開けてミックスナッツをかじりながら本を読んでいると,後ろの席に陣取っていた高校生のグループの声が聞こえてきました。
「花園いってる?」「南アフリカの9番やばいよね」「味方にいたらホントに頼りになるけど,敵に回したらこれ以上怖い選手はないって感じ」など女子高生らがコメント。男子高校生は相づちをうって話を盛り上げています。
ラグビーの話をしている高校生なんて,いままで遭遇したことがありませんでした。ラグビーワールドカップの影響なのか。うれしいことです。このとき私が読んでいた本は「ラグビー 知的観戦のすすめ」(廣瀬俊朗)。ラグビーワールドカップの開幕前に,にわかファンのために出版されたことが見え見えの入門本です。入門本なのに,決勝のイングランド対南アフリカ戦が終わった翌日に書店で買いました。
「白波スタジアムにリーチマイケルが来る」と話しているところでは思わずびっくり。はて,そんな試合が予定されていたっけ?
入門書を読んでいる私ですが,ラグビーを観戦するようになったのは小学生のときから。正月2日は大学選手権の準決勝が2試合連続で開催されます。1月15日(当時は成人の日で休日)の決勝戦。2月14日(建国記念の日)の社会人対大学の日本選手権。この4試合は必ずテレビで見ていました。
しかし,社会人になってからは,なかなか見ることはありませんでした。ラグビーワールドカップが始まったのもこのころですが,当時はほとんど試合をテレビで見た記憶がありません。人気がなかったんでしょうね。
あの頃はワールドカップでは日本は本当に弱かった。特にニュージーランドには100点以上差がついての敗戦もありました。これじゃあ人気がないのも無理はない。
それが4年前のワールドカップイングランド大会からファンの視線が変わりました。特に「スポーツ史上最大の番狂わせ」と報じられた日本対南アフリカ戦。私はライブ中継を見ていましたが最高に興奮しました。
先週,ネットで久しぶりにこの試合を見ましたが,観客席にいる日本人は高齢の男性がほとんど。オールドファンばかりだったんですね。おそらくこのときのファンは長い年月,日本のラグビーを見捨てることなく根強く応援し続けてきた人たち。だからこそラグビーの神様は,あの奇跡をブライトンのスタジアムで見る幸せをもたらしたのでしょう。
ちなみに私はリーチマイケルが所属する東芝と7人制ラグビーの日本代表だった桑水流のいるコカコーラの試合を,それこそ白波スタジアムで観戦したことがあります。観客のほとんどは鹿児島市出身の桑水流を応援。試合もコカコーラが勝利。あの試合もよかったなあ。
ところで「ラグビー 知的観戦のすすめ」。とてもいい本です。ラグビー観戦歴40年の私が太鼓判を押します。にわかファンのみなさん,ぜひ読んでみて。あの試合のあのシーンはこうだったのか,と納得すること間違いなし。
雨のなかエゴン・シーレを見に来れば共犯者めく人の連なり(俵万智)
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