うつ病の本当のところ 自殺は男性が7割、自殺未遂は女性が8割
私は社員の健康管理を仕事としていることもあり、メンタルヘルスの研修にも参加します。簡単にいうと「こころの健康」。そのまんまですが、今はカタカナでいうのが流行です。
講師は山本義晴先生。横浜労災病院に勤務するかたわら、メールで相談が来たときには24時間以内に回答(対応)しているとか。しかもメールの件数が1日200以上の日もあるとか。すごい人もいるもんです。
私の会社でもメンタルヘルスの自己診断ソフトがあります。半ば強制的にやっていますが、正直なところこれでとうしろというの? という気持ちでした。自分で点数をつけたところで何も変わりやしないじゃないの? とずっと思っていました。
しかし、山本先生はこの自己診断「ストレスセルフチェック」は一次予防として効果があるといいます。でも、一次予防ってなんだろう?
一次予防とは病気を未然に防ぐこと。つまりこの自己診断は、自分が高ストレス状態にあるのかを判定することが目的なのではなく、この自己診断をやってみることで「うつ病」の発生を未然に防ぐことが目的だというのです。そういう意味で効果的だと。
うつ病は一度発症するとみんなが完治するわけではありません。となると「うつ病」を発生させないことが最も効果的な治療法(?)ということになります。ちなみに、二次予防とは病気の進行を抑えること、三次予防とは病気の再発を防ぐことを言うそうです。
「うつ病」にならないために大事なこととして「運動、食事、睡眠、休養、仕事」を一日のなかにバランスよく取り入れ、ストレスをため込まない、その日のうちに解消することを熱心に語っていました。
運動は一日15分(山本先生は運動に毎日2時間!)。そして、食事を(特に朝食を家族みんなで)きちんと摂り、睡眠(眠くなったときに寝て、朝は始業時間の3時間前に起きる。休日には絶対に寝だめをしない)、休養(1時間ごとに5分とこまめに休憩する)。仕事(やりがいのある仕事で、みんなに必要とされている、存在意義を確認できるということで必要)をする。
またストレス解消の悪い例として「酒、薬、仕事」を列挙していました。薬は麻薬などのこと。仕事はさきほどと矛盾するようですが、仕事人間(仕事が趣味!)の人って定年退職後にうつ病を発症しやすいそうです。ストレス解消法をたくさんもつことはもちろん、毎日実践することが重要です。
ところで酒のこと。アルコールで憂さ晴らしはまずいそうです。まず耐性がついて飲酒量がどんどん増えていく。そして自殺する男性はほとんどが飲酒後に自殺するそうです。男性は悩みを誰にも相談することなく、一人で酒を飲み、酔っ払って自殺する傾向にあるとか。自殺に男性が多いのは日本の特徴だそうです。
そして女性はストレスがたまるとおしゃべりで発散するとか。つまり相談相手(愚痴をこぼせる相手)がいるということ。でも自殺未遂は女性が多いのはなぜでしょう? お酒を飲んでいないから理性が残っているということなのかも。
山本先生は、自殺したい気持ちになったとき、なぜ生きているのか疑問をもったときには「こころの耳」というサイトを見てくださいと宣伝していました。興味のある方は見てください。
山本先生のメール相談アドレス mental-tel@yokohamah.johas.go.jp
厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員 http://kokoro.mhlw.go.jp
死にたくてならぬ時あり はばかりに人目を避けて 怖き顔する (石川啄木)
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